Space-Moere(宇宙モエレ)プロジェクトは、ARTSAT※1と共に取り組んだコラボレーションプロジェクトです。地球上に造られた「大地の彫刻」としてのモエレ沼公園※2を、成層圏気球※3によって宇宙とつなぎ、未だ見ぬ地球外知性に思いを馳せる「宇宙の彫刻」を市民テクノロジーで実現しました。また、そのプロセスを公開し、共有することで、新たな市民コミュニティを作り上げたことも大きな成果となりました。2017年、SIAF2017での展示を経て、韓国の「光州メディアアートフェスティバル」でパフォーマンスを実施しました。2018年には、作品《全知性のための彫刻》が、第21回文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品に選出されました。その後ポーランドの国際展である『WROメディアアートビエンナーレ2019”HUMAN ASPECT”』に新バージョン《SCULPTURE TO BESEEN FROM SPACE, IMPROVISATION TO BE HEARDFROM SPACE – WRO2019 VERSION》を出展し、展示に加え、オープニングイベントでの成層圏気球の打ち上げと、気球から送られるコードを用いたテレコーディングパフォーマンスを現地のチームと成功させました。2020年、再び『光州メディアアートフェスティバル』からのオファーを受け、プロジェクトの映像記録《Space-MoereProject Overview》を出展しました。
※1
地球を周回する衛星や深宇宙に投入される宇宙機を「宇宙と地球をつなぐメディア」と捉え、超小型の芸術専用衛星や独自の宇宙機を打ち上げ、そこから得られるデータを使ってインタラクティブなメディアアート作品やサウンド/ソフトウエアアート作品などの制作実験を展開していく衛星芸術プロジェクト。
http://artsat.jp/
※2
1982年に着工し、2005年にグランドオープンした札幌市にある総合公園。基本設計は世界的に著名な彫刻家イサム・ノグチが手がけ、「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもとに造成が進められた。
https://moerenumapark.jp/
※3
宇宙の近くまでモノを搬送することができる大きなゴム製の風船。一般に高高度気球(High Altitude Balloon)と呼ばれる。