札幌市雪対策室では、除雪従事者による書類作成の負担軽減のため、除雪車へのGPSロガー搭載による車両運転日報の自動化を進めています。2018年から継続しているこのシリーズは、GPSによる除雪車の位置情報のログを可視化することで、冬の札幌の姿を浮かび上がらせよう、という実験から始まりました。除雪は札幌に欠かせない都市機能ですが、一般的に夜中に行われることもあり、私たちが除雪作業の状況を都市全体の規模で知ることはありません。
今回は、昨シーズンの大雪に見舞われた4つの期間にフォーカスし、約700台の除雪車の稼働数の変動などを観察します。よく観察すると、編隊を組んだ除雪車が幹線道路を往復する様子なども見ることができるでしょう。もしかすると、その動きから除雪車の種類を見分けられるかも知れません。
映像の隣に展示されている資料は、1939年から公益社団法人雪氷学会が年6回発行する学会誌『雪氷』のNo.41(2022)に掲載された「2021-2022年冬の札幌都市圏の大雪について(その3)」の記事です。映像では、この記事が扱っている期間の除雪車の位置情報を早回しで可視化しています。この記事では、昨シーズンの四度の「ドカ雪」は、気候変動によるものとは断定できないとされているものの、風向きに支配される札幌の「ドカ雪」は、気候変動の中でも起こり得るものとされています。
参考文献:北海道の雪氷 No.41(2022)P13~16
協力:札幌市雪対策室