S.I.D.E.プロジェクトでは、本年11月に北海道・江差町の鴎島(かもめじま)にて、IEIEの構想の一部を試行する実験(見学自由)としてテストランを実施します。直後には、2024年にノルウェーでIEIEの実現を目指す国際アートフェスティバル「LIAF」(Lofoten International Art Festival)のディレクターらをゲストに迎え、IEIEの過去・現在・未来をめぐる国際シンポジウムを札幌市図書・情報館にて開催します。
また、北海道大学大学院工学研究院の協力のもと、テストランの様子などをアーカイブした映像・音声を用いた360度VR作品を制作。札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)会期中の2月17日(土)・18日(日)、北海道大学工学部に設置された、直径8メートルに及ぶ国内初の「フィールド科学体験VRシアター」において2日間限定で公開します。
IEIE, Reflected: phase 3 /
シンポジウム なんぴとも孤島にあらず:クナーヴェルシェアから鴎島へ(1974-2024)
No Wo/Man Is an Island: From Knavelskär to Kamomejima (1974-2024)
アートとテクノロジーと自然が複雑に絡み合うチュードアたちの構想とその実現に向けたプロセスを、プロジェクトに携わってきた各時代、各地域の当事者がそれぞれの状況に位置付けられた立場から読み解き、そのつどなにが目指され、行なわれ、そして残されたのかを検討します。そこから浮かび上がる過去と現在と未来の多層性は、作品の要素として島内に張り巡らされる複数のサウンドビームのように《IEIE》を多角的に照らし出し、ローカル/グローバルというおなじみの対立を乱反射させ、SIAF2024が「LAST SNOW」というテーマのもとに思い描く時間スケールの拡張にも複雑な共鳴をもたらすでしょう。孤島の楽器化を目指したプロジェクトの半世紀に及ぶ実現への努力から逆説的な副産物(side effect)として生み出されたのは、かつて17世紀の詩人ジョン・ダンが「どんな人間も孤島ではない」という一節に込めたような、時空を超えたコラボレーションの可能性なのです。
《Island Eye Island Ear》は、1974年にデーヴィッド・チュードア、中谷芙二子、ジャクリーン・マティス・モニエがE.A.T.のサポートのもとで構想し、長期にわたって取り組んだものの実現には至らなかった、孤島を丸ごと楽器化するという壮大なスケールのコンサート・プロジェクトです。2022年よりSIAFラボは明貫紘子(キュラトリアル・リサーチャー)と中井悠(アーティスティック・リサーチャー)とともに、この幻の作品の実演に向けて取り組んできました。来年の札幌国際芸術祭とロフォテン国際芸術祭(ノルウェー)にて、発端からちょうど50年越しの「初演」を予定していることを踏まえ、プロジェクトのオリジナル・メンバーやノルウェーの芸術祭のキュレーターを札幌に招待して、《IEIE》の過去と現在と未来をめぐる国際シンポジウムを開催します。
参考図書:
For Whom the Bell tolls(「誰がために鐘は鳴る」)
John Donne(1572-1631)の詩
http://www.edit.ne.jp/~ham/yomoyama/donne.html
冒頭:
No man is an island, entire of itself;
人は離れ小島ではない
どの島も孤島ではない――イギリス文学瞥見
カルロ・ギンズブルグ (原著), 上村忠男 (翻訳) / みすず書房 / 2023/7/5 (ISBN-10 : 4622096285)
https://www.msz.co.jp/book/detail/09628/
日本で最も美しい村連合 Vol.42 2022 冬
https://murakara.stores.jp/items/63a296a2679de7226fec3793
江差百話 江差の民話・伝説・史話 - 江差民話研究会 / 1993.12
https://aucfree.com/items/d406300947
日時:2023年11月27日 (月) 18:30〜(2時間程度を予定)
*入場無料
会場:札幌市図書・情報館 1Fサロン
(〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ内)
登壇者(予定)
マリアンヌ・ハルトマン (Marianne Hultman, director of LIAF),-調整中
中井悠
明貫紘子
SIAFラボ
他 調整中
言語:日英(逐次通訳を予定)
オンライン配信:未定
上記に関するお問い合わせ
札幌国際芸術祭実行委員会事務局 担当:内潟・名塚
〒060-0001 札幌市中央区北1条西2丁目札幌時計台ビル10F
電話:011-211-2314 (平日8:45~ 17:15) Fax:011-218-5154
E-mail:press@siafijp
また、これらに先駆け、9月14日(木)・15日(金)・17日(日)の3日間、北海道大学の国際サマースクール「Hokkaido Summer Institute(HSI)」において、SIAFラボと北海道大学CoSTEPによる講義を実施します。「100年後の未来を考える」をテーマに、SIAFラボがこれまで取り組んできたリサーチや、「Side Effects 2022-2024 」を元にしたレクチャー、ワークショップをおこないます。HSIの申し込みは終了しておりますが、聴講を受け付けています。北海道大学CoSTEPへのメールにてお問い合わせください。
「札幌の100年後を考える2」
日時:2023年9月14~17日
使用言語:日本語
対象:北大学生、他大学学生、社会人
場所:北海道大学 高等教育推進機構 N281
詳細ウェブサイト:https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/en/event/27590
北海道大学HSI講義に関するお問い合わせ
北海道大学CoSTEP 担当:朴・奥本
E-mail: costep_office@ml.hokudai.ac.jp