Side Effects 2022-2024
IEIE, Reflected : phase 1
公開実験:サウンド・ビーム/展示:IEIEクロニクル
SIAFラボが、北海道大学科学技術コミュニケーション教育研究部門CoSTEPと札幌文化芸術交流センター SCARTSと共同で取り組む、新時代のR&D(研究開発)のためのプラットフォーム「S.I.D.E.」。その取り組みとして、公開実験と展示を開催します。
S.I.D.E. では、2024年の本祭(SIAF2024)に向けた3年間、キュレトリアル・リサーチャーに明貫紘子、アーティステッィク・リサーチャーに中井悠を迎え、「Side Effects 2022-2024 」として活動します。 1970年半ばに音楽家のデーヴィッド・チュードアが発案し、芸術家の中谷芙二子やジャックリーヌ・マティス・モニエ、E.A.T.(Experiments in Art and Technology)らが取り組んだ、孤島を丸ごと楽器化する未完のコンサート計画《Island Eye Island Ear》(以下:IEIE)の今日的な実現性を、北海道・札幌を舞台に探求すると同時に、その過程で生まれる副産物としてさまざまなR&Dを展開します。
公開実験:サウンドビーム
日時:2022年8月21日(日) 9:00~15:00 *見学自由
会場:モエレ沼公園(札幌市東区モエレ沼公園1−1)
※当日公開実験を見学される方は9時にサクラの森Bエリア集合
(雨天の場合はガラスのピラミッドスペース1)となります。
孤島を丸ごと楽器化するというチュードアのアイデアは、具体的には、強い指向性を持った音のビームを用い、島内の音を島内の別の地点から流したり、同様のビームを岩などの障害物に反射させて離れた地点で聞かせるというものでした。
この公開実験では、1974年に、チュードアらがクナーベルシェア島で行なった調査の記録をもとに、当時用いられたものと同様のパラボリック・スピーカーや、当時は存在しなかった超音波を用いたパラメトリック・スピーカーを使った聴感テストを行います。74年に描かれた島の地図から算出した、距離にして約100メートルのサウンド・ビームを再現するとともに、モエレ沼公園内のサクラの森エリアにあるコンクリートの構造物を音の反射体として使う実験を行います。
実験の詳しい内容はこちら
※随時変更しています。参考にさせていただきますのでご自由にコメントください。
展示:IEIEクロニクル
展示:IEIEクロニクル
日時:2022年8月28日(日)~9月4日(日)11:00~19:00 ※入場無料
9月13日(火)まで会期延長
会場:SCARTSモールC(札幌市民交流プラザ 2F/中央区北1条西1丁目)
1970年半ばに構想されたIEIEでは、10年に渡って世界各地の島を候補地として検討したものの、実現には至りませんでした。しかし、IEIEに含まれていたアイデアは、チュードアのその後の活動の中で展開されることになります。また、IEIEの遍歴をたどると、美術や音楽に限らない多くの人物や場所、物事との関係や、現代の社会問題やサイエンスの研究課題との意外な関連が見えてきます。そこで露わにされるのは、「影響」という言葉で語られることの多い密かな因果関係の多元的なネットワークです。
この展示では、島探しの舞台となった欧米だけでなく、その傍ら、あるいは延長上として北海道・札幌で始まった「Side Effects 2022-2024」が出会う人物や物事を、さまざまな視点で関連付けながら俯瞰する空間的年代記を展示します。