IEIE, Reflected: Phase 4|Virtual Ground

2024/01/16

《Island Eye Island Ear》(IEIE)は、1974年にデーヴィッド・チュードア、中谷芙二子、ジャクリーン・モニエらがE.A.T.のサポートのもとで構想し、長期にわたって取り組んだものの実現には至らなかった、孤島を丸ごと楽器化するという壮大なスケールのコンサート計画です。S.I.D.E. では、2022年から続けてきたIEIEの実現に向けた取り組みの成果として、2023年11月に江差町・鴎島で実施したテストラン(予行演習)の記録を構成しなおしたVR作品《Virtual IEIE(去年鴎島で)》を、北海道大学工学院のVRシアターにて限定公開します。 また同じ取り組みの副産物として、IEIE実現のために奔走した北海道の先々で出会った人々が登場するグランドホテル形式の特別シンポジウムを開催します。

実は英語圏において「ヴァーチャル・リアリティ」という言葉がはじめて登場するのは、チュードアのパートナーだった詩人が彼に勧められて手がけた演劇論の英訳の中です。そして実現が叶わなかったIEIEの構想を別の形で展開する一連の作品群に関連して、チュードアはこの言葉に強いこだわりを見せていました。こうした歴史を回想しながら、鴎島のテストランをVRとして追体験可能にすることで、半世紀という時を超えたIEIEの「実現/記録/再生」を、構想の中核に置かれた「ヴァーチャル」や「リフレクション」などのテーマと絡めて問い直し、二年に及んだ取り組みの落とし所を仮構します。

展示概要はこちら


VR exhibition: Virtual IEIE(去年鴎島で)

会期:2024年2月17日 (土)、18日(日) 各日 10:00〜17:00
会場:北海道大学 工学研究院 VRシアター (札幌市北区北13条西8丁目 google map)
料金:入場無料

Symposium: Virtual Grand Hotel

日時:2024年2月17日 (土) 15:00~18:00
※運営上の都合により時間が変更になりました。ご了承ください。
会場:北海道大学オープンイノベーションハブ エンレイソウ(札幌市北区北13条西8丁目 google map
アクセス情報
料金:参加無料

※事前の応募は不要です。現地に直接お越しください。

タイムスケジュール

15:00 挨拶
15:05~ 1.江差町・鴎島の過去・現在・未来(松村隆/宮崎拓馬)
15:30~ 2.低温環境における実験について(古川義純)
16:00~ 3.研究林における実験について(中村誠宏)
16:30~ 4.野生との対峙(池田貴子/藤澤正裕)
17:00~ 5.IEIEとの伴走(岡碧幸/渡辺洋)
17:30~ 6.VRシアターについて(田中洋輔)

ゲストプロフィール

池田 貴子(いけだ たかこ)
博士(獣医学)、北海道大学 CoSTEP 講師。北海道大学大学院獣医学研究科修了。都市部に生息するキタキツネの生態学と、彼らがヒトにうつす寄生虫「エキノコックス」の疫学が専門。近年では、札幌市内の都市公園と協働して感染予防対策の実践と地域住民とのリスクコミュニケーションに取り組んでいる。地域対話や他者との相互理解のためのコミュニケーションとして、サイエンスビジュアリゼーションの可能性を実感している。

 

岡 碧幸(おか みゆき)
1994年札幌生まれ。北海道大学農学部卒、英ロイヤルカレッジオブアート修了。事物の並び替えによって解体される文脈と生成される意味に注目しながら、インスタレーションや映像を制作、実験的デザインやパフォーマンス的介入を行う。近年の個展に「借りた眠り/写真を撮る(000000-235959, 20210224-20230224)」(北千住BUoY、東京、2023)、グループ展に「Theater der Welt (United Institute)」(応用美術館ほか、フランクフルト、2023)、「Künstlerische Projekte rund um den Olympiasee」(オリンピアパーク、ミュンヘン、2022)、「遠いだれか、ことのありか」(SCARTS、札幌、2021)。

 

田中 洋輔(たなか ようすけ)
2021 年北海道大学工学部卒、2023年北海道大学大学院工学院共同資源工学専攻修了。
現在は資源マネージメント研究室の研究生として、主に鉱山教育のための円筒型VRシアターシステム開発の研究に従事。
<資源マネージメント研究室>
近年、電子デバイスやEV車の使用増加、中国やインド等、新興国の台頭により、莫大な鉱物資源需要に対処する必要がある。しかし、浅部鉱物資源は枯渇しつつあるため、より深部における採掘が求められる。深部採掘は危険かつ高コストであるため、開発においては更なる高い生産性・安全性が求められる。本研究室ではスマートマイニング(高度情報化鉱山操業)をテーマに、鉱山工学に情報工学を複合させ、高い効率性、安全性の向上を目指している。具体的には画像処理や通信、VR・AR、また深層学習などといった情報工学を用いて、鉱山工学や土木工学の分野で安全性や生産性の向上に貢献できる有用なシステムの開発を行っている。

 

中村 誠宏(なかむら まさひろ)
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーション 教授。和歌山研究林と苫小牧研究林 森長を務める。森林の主要構成要素である高木を暖める野外操作実験(温暖化実験)を行い、気候変動(地球温暖化、台風など)や環境汚染(窒素降下物)への応答や生物多様性の生態系機能(食害抵抗性など)の解明についてフィールド研究をしている。

 

藤澤 正裕(ふじさわ まさひろ)
登別市出身。34歳から狩猟を始め、狩猟歴は26年。熊、鹿を中心とした狩猟を行う。ハンティングクラブBig Game Freak EZO 代表を務める。カスタムナイフ製作者。

 

古川 義純(ふるかわ よしのり)
中谷宇吉郎雪の科学館館長。北海道大学名誉教授。結晶成長や氷の物理化学を専門とする物理学者。特に、雪や氷の結晶形の発展、氷結晶の表面、生体と氷結晶などの研究を行った。国際宇宙ステーションにおいて、氷の結晶成長実験を行ったことでも知られている。札幌国際芸術祭2024では,メインビジュアルの雪の結晶の画像作成なども監修。北海道大学低温科学研究所所長や日本結晶成長学会会長なども務めた。理学博士。

 

松村 隆(まつむら たかし)
1926年北海道桧山地方、泊村(現江差町)生まれ。1943年から同町役場に勤務し、1963年に江差フォトクラブを創設、1993年から江さし草会代表を務め、文芸誌「江さし草」を発刊し江差地方の風土・文化の発掘に尽力している同誌は季刊で、現在189号に達している。また、桧山地方の生活文化を写真で記録するとともに、文献資料の少なかった民謡「江差追分」の歴史と現状を明らかにし、松村さんならではの「江差追分史」をまとめ上げた。追分録音制作会社「H・Kサービス」社長を務めるほか、著作活動や自らのシベリア抑留など戦争体験を語り継ぐ活動に積極的に取り組んでいる。主な著書に『追分ひと模様』、『江差花街風土記ー北前船文化の残影』、写真集に『追分の陰影・江差』『たば風に唄う』『昭和の江差ー北前文化の息づく風土』など。2012年第5回全国新聞社出版ふるさと出版大賞、2023年北海道文化賞ほか受賞多数。

 

宮崎 拓馬(みやざき たくま)
江差町で観光地域づくり法人(DMO)として活動する一般社団法人北海道江差観光みらい機構に勤務。同法人において「かもめ島マリンピング」事業のトータル・プロモートと運営リーダーを担当し、鴎島の優れたロケーションや海洋資産、町の豊富な歴史・文化資源を活用したアウトドア・アクティビティの企画・開発・提供に従事している。グランピングやキャンプ、SUPをはじめとした海洋アクティビティのすべては「海との遭遇/再会」というテーマのもと「海の学びや自分自身の発見」につながるよう工夫し、人々と海を繋ぐことを中心軸に据えたブランディングをしている。また、地域の高校との授業連携や海洋教育イベントなども多く企画。現在は島の新たな魅力を伝えるため、海洋生物のデータベースや野鳥の出現記録などもまとめている。

 

渡辺 洋(わたなべ ひろし)
音楽家David Tudorへの関心から、2021年に出版された、Nakai,You. “Reminded By The Instruments:David Tudor’s Music”を読んでいたことがきっかけとなり、今回の《Island Eye Island Ear》のプロジェクトを知る。その後《Island Eye Island Ear》の実現への過程を通じて、プロジェクトに見学と称して時折参加する。「江差追分」を40年ほど唄い続けている父親の存在、リズムへの興味から北インドの打楽器である「タブラ」をインドへ出向きつつ長年続けている自分自身、無関係と思われたそれらと、今回の《Island Eye Island Ear》との奇妙な絡み合いに巻き込まれて現在に至る、札幌在住の主夫。

※50音順、敬称略。

 


企画
S.I.D.E.(SIAFラボ/北海道大学 CoSTEP)
Side Effects 2022-2024 プロジェクトメンバー
中井悠、明貫紘子、仲本拡史、小町谷圭、石田勝也、船戸大輔、平川紀道、久保田晃弘、日下貴詞、田中洋輔、渡辺洋
主催
札幌国際芸術祭実行委員会、札幌市、北海道大学 CoSTEP
協力
北海道大学大学院 工学研究院 資源マネージメント研究室、江差町、江差いにしえ資源研究会、江差追分会、皐月蔵チャミセ、北海道江差観光みらい機構、松村隆、KAZUMI
助成
令和5年度文化庁文化芸術創造拠点形成事業、公益財団法人ポーラ美術振興財団
お問い合わせ
札幌国際芸術祭実行委員会事務局
札幌市中央区北1条西2丁目 札幌時計台ビル10階
TEL 011-211-2314 Email siaflab@siaf.jp

2024/01/16