これらの本は、月寒東第2雪堆積場と福井堆積場を半年間にわたって定点撮影した写真をそれぞれ一冊にまとめた試作品です。3分間隔で撮影された、1日あたり最大480枚の写真群から、5つの時刻を設定して、プログラムによって自動的に選定し、レイアウトしました。
すべて写真は、タイマーによって自動的に撮影されたものであり、「写真家不在の写真」とも呼ぶべきものですが、中には並外れて整った構図の写真も含まれており、ある種の決定的瞬間を捉えたものさえあります。映像にまとめてしまうと、どの写真も同じ1コマであり、目にも止まらない速さで流れていきますが、本に綴じてそれぞれを大きく印刷すると、雪山の詳細な形状や微妙な変化を丁寧に見ることができます。「雪堆積場」という普段は立ち入ることのできない場所で流れていく取り留めのない時間が、本という古典的なメディアの「かたち」が促す「ページをめくる」という行為によって、再び流れていきます。