月寒にある雪堆積場を3分間隔で定点撮影した、77,857枚の連続写真すべてを展示しています。雪堆積場が稼働を開始した2021年の1月10日に撮影を開始してから、雪が運び込まれる様子が写っているだけでなく、春になって雪解けを促進するために行われる雪割りと呼ばれる作業の様子や、遠くに見える藻岩山の木々が色づく様子など、6月23日までの165日間の様子が写っています。
また、これらの写真が並べられている円弧は、撮影期間中に地球が太陽の周りを移動した角度(公転軌道上の角度)に対応しており、太陽系スケールの運動と、そこで生まれる季節の移り変わりに応じた雪堆積場の様子を並行して見ることができます。1枚の画像から雪堆積量の増減を見て取ることができるだけでなく、夜間モードによって撮影されるモノクロ写真と、日中のフルカラー写真が作るストライプの幅の変化から、日照時間の変化も感じられます。
画像が欠けている部分は、何らかの原因によって画像が取得できなかった部分です。時間帯によって傾向があることから、撮影された画像をモバイル回線を用いて転送する際の通信障害が原因と考えられますが、天候との相関があるようにも見えます。
完全なデータを取得するためには更なる工夫が必要ですが、この欠損したデータのかたち自体が、何らかの情報を可視化しているという視点に立つと、完成されたテクノロジーが、何かを見えなくすることもある、ということに気づかされます。