ラボの日・スペシャルトークイベント「祭りってなんだ?」
SIAFラボで不定期に、気のままに開催している『ラボの日』。
今回は、音楽家/神楽・
今、巷では「祭」「まつり」と名付けられたイベントが毎日のように行われていますが、本来「祭り」とは何なのでしょうか。祭りは古代から信仰のために行われてきたものであり、根源的には神を招き、神と交流して神託を得るためのものでした。それが渡来の文化など、様々な要素が入ってきたりその影響を受けたりして今日まで続いているもので、基本的にはコミュニティーのための年に一度のハレの日なのです。そして長く続けられてきた祭りの中心的な存在が「神楽」で、今でも全国で数千という数の神楽が行われており、その姿も百花繚乱の多様な姿を見せています。神楽はアーティストにより創作されたものでなく、先人たちによって培われてきたそれぞれの風土で暮らす人々の「境地」や「生きる知恵」をベースに形作られてきました。何百年も少しずつ変化はしたものの「伝えられたことを次代に引き継ぐ」ことで続けられてきたのです。
神楽=祭りをすることはとても大変な労力、時間、資金を使うもので、決して楽なものではないし、見返りもないものなのに、どうして何百年も続いてきたのでしょうか。 それはひとつに強い信仰心があったことと、単純に楽しかったからです。強制させられたり楽しくなかったら消えていったでしょう。
お囃子や歌、舞の動き、祭壇などの装飾、御幣などの多彩な切り紙など、映画などメディアに記録する娯楽が生まれるまでは、神楽は結果的に総合芸術でもあったわけです。
信仰の基本には縄文からの流れを含む自然信仰と祖先崇拝があり、そこに道教、陰陽道、密教、神道などの要素を編集した修験道が大きく関わって、21世紀の重要な課題である「自然との共存」をずっと根幹にして来ています。ただ、それは前面に出ているばかりではないので、神楽=祭りの持つ本質的な意味や楽しさ、現代における価値を各地の神楽の映像を見てもらって、解説したいと考えます。
ラボの日・スペシャルトークイベント
「祭りってなんだ?」
日時:2016年7月16日(土)16:00〜18:00
会場:札幌市資料館(札幌市中央区大通西13) 1階 SIAFラウンジ
ゲスト:三上敏視(音楽家/神楽・伝承音楽研究)
<要申込・30名先着・参加費無料>
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プロフィール

三上敏視【Toshimi MIKAMI】
多摩美術大学美術学部非常勤講師。伝承音楽研究所主宰。